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海賊船 Wonder Wind の冒険と略奪の日々を綴った航海日誌。
7月10日 グラタンの好きな人
=焼肉海賊ジャックの日誌=

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1.おいねぇ状況

 親不孝亭。 「一つ聞いていいか?ブリゾ。何の仕事してるんだ?昔から」 「ん?それは、まぁ…」 ベルトホルドとブリゾが、先生とプーの卒業生のよーな会話を繰り広げていた。

 「フ、今は某国に雇われていてね…」*偉そう* 「へー、そいでそいで?」 「まぁ、そろそろ契約が切れるんで」 「だめじゃん」 「ともかく残り数日と言うところで おいねぇ 状況になってね…」

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【おいない(おいねぇ)】 いけない。よくない。悪い。マズイの意。
 (英)bad  (例)おいねぇーのー(いけないなー) 
 「それは、おいないですよ」は実は標準語になっていないので、注意が必要。
 ブリゾの出身が、何故べスパーの片田舎なのかが垣間見える言葉でもある。

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 「それでジャックさんに少々お話が…」 「何だ、金なら無いぞ(キッパリ」 「ちょっと外でよろしいかな?」 「いいぜ?」テクテク 「・・・オレは帰るか」 「いや、かまわんさ」スタスタ

 「で?どんなおねがいだ」 「フ、貴方の命が欲しい(クールに」

 *すぐに投げろ!*「そうか」 ヒョイヒョイ 「え、ちょ、クールに返された…」 「ほれ、とってみろ」..2...1...*ドガン!!*

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2.戦闘

 実際には、クールなんてもんじゃなかった。俺はヒイコラ遁走し、ブリゾが追撃を諦めてから奇襲、普段使わない騎士の技から透明馬まで使ってやっと倒したのだ。 狭い屋上を指定されていたら、こっちが殺られていただろう。 ベルトホルドが蘇生している。 俺は死体を漁ったが、指令書みたいのはなかった。

 「しけてんなー金目のものないし」 「フ…」 「てか さっきの話につながるんだろ?解雇されそうって」 「んー、こんな俺でも殺れないとなると・・・消されそうですね(ボソ」 「え、ちょ…」 「うむ 短い付き合いだったな。忘れないぞ。」 「こ、こいつぁ おいねぇぜ…」 「どうするよ」 「ここはいっそバックレテ海賊だろ」  「んー弓が暴発しそうだ。まずは身づくろいしたら?」 「・・・不覚」ごそごそ

 「で、端的に言うと 誰だ」バシュバシュ 俺は無抵抗のブリゾーに次々と矢を放った。 「え、ちょ…」ドスドス  「だれだって いってんだよ」 「そ、それは 口が裂けても言えねぇぜ…」 「だれだ。海賊を舐めんじゃねえぞオラ」Consecrus Arma - vinum Furis 「うは ブリゾ、命は大事だぞ」 「・・・弁護士が来るまで何も話さんぞッ」 「ほう」*You are attacking Brizo!* バスバスバス 「あ、スイマセン…」 「上にいこか」テクテク 「やれやれ、おいねぇ事になったぜ…」トボトボ

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3.尋問

 俺は座ると懐柔策に出た。「――まあ、仕事だからよ。そうそう辛い立場も分かるぜ? だがなあ 海賊を1人で殺ろうなんざ思われると、俺も後が辛えからなあ」つーわけで吐け 「フ、それを吐いたら殺されちまうぜ・・・」 「行方をくらませよ。追っ手があるなら、どんな裏ルートででも運んで見せるぜ?」 「・・・そうだな。そもそも帰っても安全かどうか わからん」 ベルトホルドが、今にもカツ丼を頼みそうなノリで同意する。 だが、ブリゾは言った。

 「――ここで吐いたら 一生俺は 『プ、brizo』 だぜ?」

 俺はそこに、たとえ最後の崖っぷちだろうと、既に人に笑われていようと踏みとどまろうとする、本物の男の意地を見た。

 「わかった。とっても想像できちゃう 生々しい光景だった」 「え、そんな…」 「ていうか手遅れだ。これで帰った時点で」 「もういい、じゃあこうしろ。バカな俺がどう転んでもわからなそーなヒントをくれ。それなら吐いたことにはならんだろ」  「えーと」 「俺にも少しはチャンスがある。どうだ、フェアだろう」 「く…確かに…」

 *カタン*「ま、オレは 聞かないで置こう」ベルトホルドが気を利かせて帰った。 俺とブリゾだけが対峙する。 「他の海賊なら12回は死んでるとこだ」 「うわ…仕方ない、か…」 「そうだ、仕方ない。運が悪かったんだ」 「自分の命を狙われて気にしない奴などいないからな…(シリアスに」 「ああ。心当たりがたくさんありすぎて特定できん」 「うーん、どんなヒントを…」 「自分で考えて、自分で決断を下すのが冒険者だ。覚悟を決めな」

 「…奴の好物はグラタンだ」

 「・・・・」ほんとに全然分からん。 俺は「なんだと?!そんな・・・バカな、アイツの筈は・・・!!」とゆうよーなリアクションを入れてみたものの、そんなもんで分かる筈も無かった。 「フ、自分の胸に手を当てて思い出してみなよ」 ブリゾもノリノリだ。

 「ふふふ、だが、まあいいだろうッ ――これから俺は、敵に会うたびに こう問うことになるだろうぜ! 『時におめえ、グラタンは好きか?』ってな!!」

 「フ、クールだぜ…」 分かるわけねーだろ。 3人中2人は はい と答えそうだ・・・もはやツッコミがいない今、どこまでもボケる2人であった。

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4.奴の行く末

 「もういい、いっちまえ。また襲ってきてもいいぞ」 「いや…俺はこの任務を降りるとするよ…」 「それで生きて帰れるのかよ。こすっからそうな雇い主だ」 「フ、自分を襲った人間に向かって言う言葉とは思えないぜ」 「俺は客観的だからな」 「・・・とりあえず、アンタには助けて貰った事になるからな。この借りは何時か返すぜ。 うん、いつか。 きっといつか」

 「――そんなふうに感じてるなら、今ここで殺すぞ!?」 「え、ちょ…」 「ケッ、甘い海賊なんて評判立てられてみろ!商売によくねー。 そーだやっぱ殺そうソレがいい 10数えるうちに退散しな。10,9,8,7,6,5」

 そう、俺は確かに、ブリゾに 海賊になるか死か を選ばせても良かった。 だが奴は、踏み止まるかもしれなかった。 挽回するかもしれなかった。 海賊ではなく、まだ英雄になれる男かも知れなかった。 まあこの後、もし転げ落ちて追われたとしたら、ソレはソレだ。 その時こそ、俺は甲板でこいつに背中を預けることになるのかも知れなかった。 だがそれはまた、別の話である。

 ましてや、その 海賊になる とゆーやり取りを俺がスッカリ聞いてなかったなどと言うわけではない。 いやもうそれは、断じてそうゆうワケではないのである。

 「やれやれ。フ…また会える日を楽しみにしているよ(クールに」*ヒラヒラ* 「そろそろ1」 「え、ちょ…」

 「うはははははは!」Consecrus Arma - Divinum Furis *ズッギャーーン!!* POTと騎士魔法で体を膨れ上がらせ、哄笑し、弓で射掛け、追いたてながら・・・俺は、嬉々としてブリゾの行方をこうして見送ったのだった。 (お わ り)
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コメント
この記事へのコメント
ふむ・・・
そうか、グラタンか・・・
調べてみるとするか・・・
ってわかんねえよ。
というより相変わらず金にならん事やってるなあ。
2005/07/11(月) 16:55:07 | URL | Berthold #SFo5/nok[ 編集]
本当に「グラタン」といったのだろうか?「グラたん」の聞き間違いではないのだろうか。
2005/07/15(金) 01:03:24 | URL | John Smith #-[ 編集]
皆のセリフは、多少はしょるけどログの編集みたいなもんなので・・・確かにグラタンと言った。 尤も、ジョンさんの思った通りだった訳だが… ちなみに、俺には本当に見当がついていなかったという。
2005/07/18(月) 21:25:33 | URL | Jack Shandy@海賊 #QWaZ2z0U[ 編集]
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